お互いがお互いにとって他者(自分以外の人)である私達。そんな私達にとって、他者を見たり見られたりすることは日常的に避けられないにもかかわらず、見られているのに他者の目を気にしなかったり、見ているのに見ていないふりをしたりすることが、最近では少なくないようです。
とはいえ「他者を見る⇔他者に見られる」ことは、他者の目に映る自分自身を見ることではないでしょうか。ということは、他者との視線の交錯が乏しくなってきた現在、私達は自分自身を捉えきれなくなってきているのかもしれません。
絵画・映像・写真からなる本展は、作品を見ることから擬似的に可能となる他者とのまなざしの交錯をとおして、私達が他者の視線によりつくられていることを感じていただこうとするものです。
「他者を見る⇔他者に見られる」というまなざしの交錯から、自分自身を捉えなおす旅に出てみませんか?